NYインテリアコラム5 アーチスト マギーさんのお宅のインテリア

1700年代に建てられた歴史ある家―― Faux Painting(フォウペインティング)で自分流にアレンジ

ここでご紹介するのはアーチストのマギーさんと写真家のご主人、芸術家カップルのお宅です。 数万坪の公園に隣接して立つご夫妻のお宅は1700年代に建てられた歴史のあるお宅です。敷地内に寺子屋を思わせる古い学校の校舎が残っています。このお宅の味を生かしてご夫婦はこつこつと家に手を入れておられます。

古いタイルを剥がし、下地のベニアをご主人が丹念にサンドペーパーをかけてからマギーさんがタイルを描いたそうです。
キッチンの床のタイルが傷んだので床をやり直したとおっしゃるので見せていただきました。 一見、タイル張りのようですがよく見ればすべて手で描かれているのです。この手法は Faux Painting (フォウペインティング)。Faux とは「虚偽の、にせの」いわゆるだまし絵の手法です。床や壁を大理石貼りに見せるマーブリング、新しいテーブルなどをまるで雨ざらしにしペンキがひび割れしているように見せるクラックリング、木製の椅子やテーブルの脚を竹で出来ているように見せる手法など様々の手法があります。

フルール ド リの飾り、本当のタイル貼りであれば出来ないことが出来てしまうのもフォウペインティングの強みです。
マギーさんのキッチンは菱型のタイルを貼り(?)目地をつけています。これだけで終わらないのがさすがアーチストです。アクセントにFleur-de- lis (フルール ド リ)、フランス王室のゆり形の紋章をはめ込んでいます。このフルール ドリはマギーさんが持っておられた飾り物で型をつくり、それを基に版をおこしてスタンプを作って使われたのだそうです。マギーさんのお宅をみせていただき、フォウペインティングとはアーチストの発想でいくらでも世界の広がる手法だと感じました。

ご夫妻のあたたかい人柄が感じられるリビングルーム。心のこもった小物一つ々が話題のたねになりそうです。
お邪魔したついでにリビングルームの写真を一枚撮らせていただきました。ソファーの前のテーブルは玄関の扉を取り替えた時にご主人が古い扉を利用して作られたものだとそうです。「私はリサイクルするのが大好き、なるべく資源を大切に使いたいから」とおっしゃるとおり、小物一つ々にもストーリィがあるように感じられました。何かと使い捨て文化の代表のように思われているアメリカで、古いものを大切に丁寧に生活していらっしゃるご夫妻と出会いほっとするものがありました。

(インテリアデザイナー しだ ひろこ)

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