NYインテリアコラム7 家族の思い出や歴史が詰まったグロリアの家(1)

コネチカット州ニューケイナン――配色が素敵な温かみのあるインテリア

友人グロリアのお宅はニューヨーク州に隣接したコネチカット州のニューケイナンにあります。ニューケイナンはニューイングランドの歴史を感じさせる落ち着きを持った高級住宅地です。グロリアのお宅は玄関を中心に左右対称の二階建て、白いサイディングに黒いシャッターのついた典型的なコロニアルスタイルのお宅です。初めてグロリアのお宅に伺ったときに「なんて素敵な家なんだろう」と感激したものです。インテリアデザイナーの手によるものなのだろうか、それともグロリアのデザインなのだろうか、独特の居心地の良さをもつインテリアに感心しました。このコラムに取り上げさせていただきたいとお願いをしたところ、「何でも聞いて」とハウスツアーをして下さいました。

レイアウトの中心はビクトリアンライブラリーテーブル
玄関を入って左側に三方窓に囲まれたリビングルームがあります。実際に普段家族が集うのは別のファミリールームです。この部屋は役割からいえば応接室です。「この部屋は何を中心にしてデザインしたの」と伺ってみたところグロリアがまずあげたのが「温かみのあるインテリアにしたかった」との事。配色は彼女の大好きなブルーと黄色、そしてアクセントにローズピンクを取り入れたと説明して下さいました。家具のレイアウトの中心になっているのがグロリアの曾祖母の代から家に伝わるビクトリアンライブラリーテーブルです。以前彼女が「私は贅沢をして育ったわけではないけれど家に本と食べ物はいつも豊富にあったわ」といっていたのを思い出しました。グロリアが一生懸命調べたところこのテーブルは1875年に作られたことがわかりました。ライブラリーテーブルとは書斎において本を読んだり読みかけの本をつんで置いたりするテーブルです。テーブルの脚はグリフィンと呼ばれる頭と脚が鷲、体がライオンというギリシア神話に出てくる動物のかたちです。

独特の居心地の良さを持つインテリア
壁は黄色のペンキ塗り、ソファーはブルー、小椅子の類は色こそ同じ黄色ですがシルクのダマスクのものもあればコットン張りのものもあります。ソファーや小椅子に置かれているクッションの配色が絶妙です。窓のカーテンはバランスと呼ばれる窓の上部を飾る部分と両脇のアクセントになるスワッグからなります。近所から見られる心配がないので閉められるようなかたちのカーテンはかけられていません。よく見てみるとこのエレガントなバランスとスワッグに使われているのが縞柄のデニム地なのです。地厚なデニムを使うことできれいなひだがつくられ、シルクのトリムをふちどりにつかう事でデニムとは思えないエレガントな雰囲気をかもし出しています。暖炉の上の壁にはグロリアの大好きな食器のリトグラフが掛けられていました。小物一つ一つに家族の思い出や歴史、又は買ったときのエピソードがあり、まるで博物館をツアーガイドについて見せていただいたような気分でした。

(インテリアデザイナー しだ ひろこ)

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