NYインテリアコラム11 待ち遠しいクリスマス!

クリスマスツリーが伝える――家庭の歴史

日本の歳の市のような「クリスマスツリー屋」さん。ここで自分の家にあった生木を購入します。
サンクスギビング、感謝祭がすむと街はクリスマス一色になります。マンハッタンの有名なサンクスギビングパレードのしめくくりのキャラクターももちろんサンタクロースです。感謝祭の翌日は一年で最大のショッピング日、早いお店は真夜中の十二時に開店します。道を走る車の屋根にクリスマスツリーがくくりつけられるのをみるのもこのころからです。

クリスマスツリーはできれば生の木が一番、家の中がいい香りでつつまれ、居ながらにして森林浴を楽しむことが出来ます。マンハッタンの街中からこのあたりの田舎まで日本の歳の市のようにクリスマスツリー屋さんが開かれます。本物志向を追及する人は「本物の木」に飽き足らず「自分で切った本物の木」をもとめて田舎にはしります。そこにはクリスマスツリーファームといわれる栽培農園があり、そこの広い敷地に育っているツリーの中から好みの種類、枝ぶり、高さの木を探し自分で切り出して用意されている台車にのせて車まで引っ張っていきます。代金を支払うとツリーはドラム缶のような筒を通され、出てくるとまるでスーパーで売っている焼き豚用の肉のようにナイロンの網がかかっています。それを車の屋根にしっかりとくくりつけて家路を急ぎます。

家に到着したらいよいよ飾り付けです。我が家もこちらに来て初めてのクリスマスには自分たちで切り出した大きなクリスマスツリーを前にさて、なにを飾ろうかと迷いました。よそのお宅のツリーを見せていただいてわかったのがクリスマスツリーはそれぞれの家庭の歴史の一部だということです。結婚して初めてのクリスマスには「わたしたちのはじめてのクリスマス1998」などと年号入りのオーナメントが友人や親戚から贈られます。子供が産まれた年も「わたしの初めてのクリスマス2001」と年号の入ったかわいいオーナメントが贈られます。子供が幼稚園に行き始めれば子供が自分でつくったオーナメントが加わります。ツリーを見せていただきながら「これはね………」と一つ、一つのオーナメントの説明をしていただくのは心温まるひと時です。子供たちは独立して自分の家庭を持つときには自分のオーナメントを渡され、又新しいファミリーの歴史を作っていくのです。
我が家のオーナメントのコレクションも年毎に増えていきます。たくさんのオーナメントの中でも千代紙で作った折り鶴をながめては最初の年にオーナメントが足りなくて子供と一生懸命つくったことを思い出し、しみじみ年月の過ぎるのの速さを思います。

(インテリアデザイナー しだ ひろこ)

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