NYインテリアコラム12 キッチンツアー(1)
アメリカで生活し始めてボランティアの存在の大きさに感心しました。息子の通う学校でも町の図書館でも公園の美化でもボランティアの力なしではやっていけないのではないでしょうか。次に感心したのがチャリティーなどの資金集めのユニークさでした。友人や親戚に1マイルいくら出すと約束してもらい、ミニマラソンを走って資金を集めたり、クッキーからポップコーン、ラッピングペーパーから雑誌の購読までありとあらゆる手立てでお金あつめをします。
資金集めの数あるイベントの中でも一番「なるほど」と思ったのがハウスツアーです。マンハッタンの高級マンションからこのあたりの田舎まで個人の住宅を一般に公開するのがハウスツアーです。入場料を払った人は誰でもこれらの個人邸を見せていただくことが出来ます。実際に人が住んでいるお宅を見せていただくのはモデルハウスを見る楽しみとは又違ったいわば「のぞき」の楽しさ(?!)が加わると思うのはわたしだけでしょうか。
わたしの住む人口5000人の田舎町でも民主党の資金集めのキッチンツアーがありました。公開されたのは5件のキッチン。5件の中の指定された2件のどちらかで入場料を支払い、後は10〜3時の間に好きな順番で家を見ていきます。友人二人とまずいった家ではこれもボランティアの紳士が駐車場の整理をしていました。家の入り口で別のボランティアから入場券を買い、この日のキッチンツアーの5件の家の地図をもらいます。
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| 最近の流行はキャビネットのスタイルは統一して素材を変えること。アイランドのキャビネットはマホガニー、その他は白のラッカー仕上げです。 |
最初に見せていただいた家ではハウスマネージャーとよばれる中年の女性が案内してくださいました。ハウスマネジャーとはホテルで言うならば支配人でしょうか、その家の主婦の片腕となって庭の手入れから家の修繕、パーティーの計画から食品などの購入まで家の切り盛りをする人です。このお宅の奥様はきっと大変なお料理通なのでしょう。壁にはイタリアのお料理学校の免状が額装されて掛けられていました。カウンターには庭でなった果物でつくった果実酒の瓶詰めがおかれています。このお宅のキッチンはきれいながらもいかにも使い込まれた貫禄がありました。ハウスマネージャーの方が自慢げに見せてくださった引出しは瓶詰めのスパイス類用、40本はあったでしょうか、アルファベット順に並べられていました。アイランドの片側に引き出し状に作られたバスケットにはたまねぎやジャガイモなどの根菜類用でした。我が家でも冷蔵庫に入れることもないし、外に出しては目障りだし、といつも収納に困っているものの一つです。
(インテリアデザイナー しだ ひろこ)