NYインテリアコラム15 ジェンズ・リソム邸を訪れて(1)

モダンファーニチャーの巨匠を訪ねる――コネチカット州、ニューケイナン

ジェンズ リソム氏 後ろの作り付け家具はワインの収納とバーになっている。
モダンファーニチャーの巨匠ジェンズ・リソム氏のお宅をお訪ねするという思ってもいないチャンスに恵まれました。以前このコラムで自宅を紹介したグロリアさんに連れられてコネチカット州の高級住宅地ニューケイナンにリソム氏をお訪ねしました。
道からドライブウェーを入ると木々に囲まれた土地に溶け込むように平屋のリソム邸は建てられています。お子さんたちが巣立たれたあと大きなお宅からここへ奥様のヘニーさんと移られたそうです。
玄関を入ると正面の大きな窓越しに庭が見えます。窓の内側には観葉植物が置けるようにとリソム氏がデザインされた作り付けのプランターがあります。目が窓の内側の観葉植物から外側のお庭へ自然に移ります。自宅の主な家具は数点を除いてすべてリソム氏のデサインによるものです。自分のデザインした家具に囲まれて生活する…最高の贅沢ではないでしょうか。

ダイニングルーム、窓際に植木用のプランターが作り付けになっている。壁付けの家具が仕様を変えてリビングルームと書斎にも置かれている。
リソム氏は1916年デンマーク生まれ、建築家の父親の影響を強く受けながら恵まれた環境で育ちます。コペンハーゲン工業美術デザイン学校を卒業後建築家のもとで働き、22歳の時にモダンファーニチャーを求めてアメリカに渡ってみたものの、アメリカには探していたモダンファーニチャーもなければ需要もないという現実に直面します。
ニューヨークで建築家の片腕としてテキスタイルのデサインや家具のデサインを手がけ、その後にドイツ人のハンス・ノル氏と家具のノル社を創設します。ノル社の初めてのコレクションの4分の3はリソム氏のデサインであったと伺いました。60年以上経った今もリソム氏のデザインによる家具をノル社で見ることが出来ます。(http://www.knoll.com
その後家具のデザイン、製造、販売を手がけるジェンズ・リソム・デザインを設立。ジェンズ・リソム・デザインはハーマンミラー社、ノル社とともに近代家具デザインの先駆者となります。
90歳になられた今も、ラルフ・プッチー社 (http://www.ralphpucci.com) から新しいデザインの家具を発表されています。
リソム氏のデザインの家具は日本でも販売されています。
http://www.midcenturymodern.com)
新しい試みとして一部は組み立て式の家具として販売されています。

(インテリアデザイナー しだ ひろこ)

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