歴史のある旧ラッパム邸でにわか料理講師になった一日
四月も半ばだというのにNYは冬のような嵐におそわれ、一昼夜で20cmもの雨が降り、人家も線路も道路も水に浸かる始末です。月曜日は前日一日降ったこの雨でスクールバスが走れなくなるところも多くこのあたりの学校は休校でした。
この日、空を見上げて「だいじょうぶかな」と心配していたのは私です。となりのコネチカット州ニューケイナンの町の成人教育で「日本の家庭料理」を教えに行くことになっていたからです。昨年に続いて二年目、ラッパムセンターと呼ばれるこの町の成人教育兼シルバーセンターでお料理教室の講師をする日なのです。
ここで行われる料理教室の講師は地元のレストランのシェフ達、どういうわけか私もその仲間に入れていただいたのです。私はお料理を専門にしてきたわけではないのですが主婦業の中で一番好きなのが料理。こちらに来てからの十二年間でざっと計算してみただけでも、延べ700人以上の方にお食事を差し上げた計算になります。主人のお客様のためだけにお料理をするのではおもしろくない(ごめんなさい)と「自分の為に」家でお料理教室を細々と続けてきました。
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| おとぎ話に出てきそうなラッパムセンターの玄関です |
会場のラッパムセンターは300エーカーと言いますから約30万坪以上の広大な敷地の一角にあります。テキサコという石油会社の創設者の一人、ラッパム氏が1912年にここに、チューダー様式のウエーブニーハウスを建てました。ラッパムセンターの建物はその数年後にご子息が結婚される時に結婚祝いとして建てられたと聞きます。その後敷地と建物がそっくり町に寄贈され今はプール、テニスコート、フィールドなどのレクリエーション施設として町の住民に利用されるばかりではなく、母屋のウエブニーハウスは結婚式、披露宴の人気のスポットとなっています。シルバーセンターのあるラッパムセンターも母屋同様チューダー様式の平屋建てです。周りの緑に囲まれ、まさに「田園生活」を絵に描いたようなセッティングです。
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| センターのキッチンでのお料理教室。生徒さんにお手伝いをしていただきました。写真右が筆者です |
センターの玄関を入るとそこはホワイエ。そこからおおきく窓のとられたサンルーム、老人方がチェスなどをゆっくり楽しまれる応接間へと続きます。
料理教室の開かれるキッチンはケイタリングが出来るようにと建物が町の所有物になってから後で設けられた部分です。キッチンの設備は8口のバーナーのある業務用コンロ、大型オーブン、これも業務用の観音開きの冷蔵庫とすべてがプロ仕様。我家のキッチンで開くお料理教室とは迫力が違います。
二時間のお料理教室が終わったところで隣の小会議室で「作品」を囲んで昼食会がひらかれ、楽しいひと時を過ごすことができました。
(インテリアデザイナー しだ ひろこ)