NYインテリアコラム31 バーモント州の B&B を訪ねて

アンティークな宿で過ごした数日

アメリカに来てからB&B、ベッドアンドブレックファーストの楽しさに魅せられています。「ニューイングランドのベストB&B」などという本を買い込んでは次の目的地を探します。今回訪れたのはバーモントのアーリングトンにあるウエストマウンテンイン。今までに行ったどのB&Bよりも規模の大きいものでした。総客室数は22。マイケルJ.フォックスがここで結婚式をしたとガイドブックにありました。人里離れたこの山奥なら少しはプライバシーがあるかもしれません。(実際は報道陣でごった返したそうです)

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駐車場から玄関へと続く石畳です
道から急なドライブウェーを登っていくと白いサイディングに黒の窓の両側をシャッターが飾る典型的なニューイングランドのコロニアルスタイルの家があらわれます。屋根の形は複雑で、数えたわけではありませんが切妻の峰が七つあるといいます。1849年に建った時にはどんな家だったのでしょうか、この150 年間に増改築を繰り返してこの形になったのだと想像されます。22の客室それぞれにバス、トイレをつけるだけでもどれだけ大変だったかと想像されます。

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客室の一つ 天井の斜めの部分を上手に使ってベッドの天蓋がつくられていました
ポーチというのでしょうか、サンルームと言えばいいのでしょうか花柄のカーテンのかかった窓にかこまれた小部屋が玄関です。ここを入ると正面に二階へ上がる細い階段があります。その階段下の小さなスペースにおかれたカウンターがこのB&Bのフロントデスクです。ここからはとても22も客室があるとは想像できません。フロントの左側には60人ほどがすわれるレストランがありその反対側にはサロンがあります。サロンには暖炉があり、ソファーが数組、山々を眺める窓の前には本を読むように大きな肘掛け椅子がおかれています。奥の小さなテーブル三つにはチェスをはじめ色々なゲームがおかれていました。部屋のすみにはおとぎばなしに出てくる紡ぎ車がありました。常連のお客様のものだそうで隣にはふかふかのアンゴラうさぎの毛が入った箱が持ち主を待っていました。

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B&Bのマスコット ラマ君です
このB&Bの150,000坪にわたる敷地には結婚式などの大きな集まりに使われるバーン「納屋」がある他にラマ2頭が住む小屋、ラブリンスと呼ばれる迷路があります。ラブリンスの歴史は古くヨーロッパの教会の庭などにあったといいます。円形の迷路で中心に向かって静かに歩くことで言ってみれば動く座禅の効果があるといいます。
ここのB&Bの客室のインテリアはどれをとっても同じものはありません。共通しているのはどの部屋もアンティークの家具、ロマンチックなリネン類で飾られていることです。部屋に電話もテレビのないのも一つの「しつらえ」と呼べるかもしれません。客室のドレッサーの上にはりんごとガイドブックといっしょにアフリカンヴィオレットの小さな鉢植えがおかれていました。この鉢植えはB&Bからのお土産です。楽しかったバーモントの休日の思い出として大切に「現実の世界」に持って帰り今も大切にしています。

 (インテリアデザイナー しだ ひろこ)

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