小口が厚さ2インチ×幅4インチの規格材を主材として使用していることから命名されました。
日本在来の工法が柱を主体とした軸組壁工法であるのに対し、2×4工法は壁、床、天井などの六面体の面全体で家を支える「枠組壁工法」と呼ばれています。
木造軸組工法が地域や施工者によって出来上がりにかなり大きな違いがあるのに対して、2×4工法はほとんどが国土交通省告示に沿った住宅金融公庫仕様に基づき厳格に施工されているため、構造躯体に一定の品質が確保できる工法です。また、構造と仕上げを分けて考えるため、内装などの仕上げのグレードが違っても構造材のグレードは同一のため、家の大きさや建築費の多少にかかわらず、構造面の安心はしっかり確保することが出来ます。
木造の中でも気密性が高いといわれています。
耐震性その他の優れた特徴も多くあることから、他の工法の着工数が下がっているのに対して、現時点で唯一着工実績が伸びている工法です。
北極圏に近いカナダから亜熱帯のフロリダまで、多様な気候で鍛えられた優秀な工法です。
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家が六面体の一つの「箱」なので、建物を支える主要な壁(耐力壁)がバランス良く設計されていれば、大変頑丈です。2×4工法(枠組壁工法)においては60m2(約36畳)までの空間をつくることや、吹き抜け、ロフトなど広々とした空間を演出できるのです。
2×4住宅は構造躯体と内装仕上げが分離しているので、インテリア構成に思い切った自由さが楽しめます。
もちろん和風建築も3階建ても合理化された工法により低コストで建てることができます。
2×4材を中心に、2×6、2×8等々わずか数種類の構造木材だけで済むため、材料の運搬管理がしやすく、施工面での工数が少なくてすみ、その分費用・工期が節約できます。
また構造木材は全て工場生産による規格品なので、大量生産によるコストダウンが実現するだけでなく、均質な製品の供給が約束されるというメリットがあります。
例えば木造軸組工法で主な構造材料となる柱は、予算の少ない住宅では太さも細めのものとならざるをえません。しかし2x4住宅では全て同一の構造材を使用するため、建築費の多少にかかわらず構造的な質は統一されています。
住宅金融公庫の融資や公庫特約火災保険でも、一般木造建築より有利な条件です。
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1880年(明治13年)に洋風ホテルとして建てられた豊平館 |
住宅耐久性能の大敵は湿気とシロアリ。
国土交通省告示、公庫仕様書で防腐・防蟻処理が提示されており、基礎に関しては特に念入りに行なわれます。
明治中ごろに2x4工法で建てられた建物に現存しているものがあるように、正しく施工すれば高温多湿なわが国でも丈夫な家を維持することは可能です。
家が六面体の一つの「箱」なので、建物を支える主要な壁(耐力壁)がバランス良く設計されていれば、大変頑丈です。2×4工法(枠組壁工法)においては60m2(約36畳)までの空間をつくることや、吹き抜け、ロフトなど広々とした空間を演出できるのです。
断熱性と気密性を高める工事がしやすい構造なので、家の中の部屋ごとの温度差が少なく、ヒートショックの影響を受けにくい体にやさしい住宅ということができます。
天井・壁・床などの面で家全体をしっかり支える六面体構造なので、地震の揺れを六つの面でバランスよく吸収し、局部的に負担が集中することがありません。
木造軸組工法の溝・臍(ほぞ)に替わるものとして、専用の釘と接合金物を使用します。各部位ごとに釘の本数・間隔に至るまで仕様が定められているので、施工者は手順良く安全な家づくりを行なうことができるのです。
木材が燃えやすい素材であることは事実ですが、耐火処理を行なえば、耐火性能をアップすることができます。例えば構造上の耐火被覆材として石膏ボードが使用されています。
また、床・壁自体が面材に囲まれているため、火や煙が他へまわりにくいのに加え、各室防火の考え方から対策された床・壁のファイヤーストップ材が出火後の拡大を防止しています。
増改築の部位によりそれぞれ得意不得意がありますが、基本的に正しい知識のある施工者が扱えば木造軸組工法との大きな差はありません。10年前は木造全体の8%程度の着工実績しかなかったため、2x4工法を理解している設計者・工務店が少なく、このような誤解を招いたものと思われます。