失敗から学ぶ家づくり 第二回 隣地擁壁で思ってもみなかった予算オーバー

Aさんは実家近くに土地を探していた。
スープの冷めない距離に住まいを構えること、ご夫妻はもちろんご両親も希望していた。しかし希望通りの土地もなく、諦めかけていた時に一本の電話が鳴った。以前から相談をしていた駅前の不動産会社からだ。「ご実家のすぐ近くに手頃な古家付き土地が出ました。駅から徒歩圏内のこの土地、是非早めにご覧頂きたい」直、その誘いを奥様とご両親は承諾した。案内されたその物件は日当りも良く建物も希望の大きさが建築可能、唯一気になったのは北側隣地が3m以上高く、その土留め擁壁が古いブロック積みであったこと。でも北側なら日当りは関係ないし、生活上問題なしということで早速契約。ご両親も娘が近くにきてホッと一安心というところだ。


 しかしいざ住宅の計画を進めてみると、役所から北側隣地の古い擁壁が危険という指摘を受けた。しかしこの擁壁は隣家の所有だから我が家の問題ではない、と思ったが、役所の見解は「万が一隣地の擁壁が崩れてきても安全なように、防護壁を敷地内に設置しなさい」これが建築許可の条件と示してきた。
防護壁とはコンクリート製の壁、それも隣地3m以上のブロックが崩壊してもそれを支える壁となれば、高さ2m近くが必要ということになる。これでは幾ら北側といっても暗くなるし建設費用も相当な金額となる。思ってもみなかった工事費、とても1千万円を超える防護壁工事は無理という結論に至った。結局、若夫婦はそこに建つ築30年を超えた古家を全面リフォームして住むという選択をした。もちろん役所が危険と指摘した隣地擁壁はそのままである。多くの不動産会社の担当者で建築に精通している人は少ない。だからこんなことになってしまった。土地購入と建築計画はセットで検討するということを忘れてはならないということだ。特に高低差のある敷地は注意が必要である。

土地購入時、隣地に古い擁壁がある場合は注意が必要です! 事前確認をお勧めします。

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(株)ウィン・セールスコンサルティング 鈴木 宏行

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