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日本の大手住宅メーカーでは、室内を塗装するということは殆どありません。製品の段階で既に塗装されたものや塗装に代わる別の仕上げを施すのが一般的ですね。例えば、合板フローリングには、予めUVウレタン塗装がされていますし、壁はビニールクロスを張ってしまいます。
しかしながら、欧米では、インテリアにおける塗装工事の重要性が最も大きいのです。勿論、欧米でも塗装されたフローリングや壁紙を使いますが、その頻度は日本とは比較にならないくらいに低いのです。
フローリングは、無垢の無塗装フローリングを張っておいて、サンダー(研磨器)で表面を磨いてから塗装をしますし、壁や天井はパラペイントのような体に安全な水性塗料を塗って仕上げるドライウォールが一般的です。
ただ、塗料と言っても、用途に応じて種類はいろいろ。勿論、色の数も国産塗料と比べると3〜4倍もあるのです。そのくらい欧米の輸入塗料は、進んでいると言えるのではないでしょうか。そう、今の日本には、塗装の文化がなくなってしまったと言っても過言ではありません。
では、欧米では、こうした輸入塗料(勿論、現地では輸入とは言いませんが)は、どう使うのでしょう。
まず、室内の壁や天井ですが、通常はツヤなし(マット、フラット、グロスフリーとも呼びます)を使用します。汚れが付着しないようにと少しツヤを入れた三分ツヤ(エッグシェル)を使う日本のビルダーもいるようですが、ツヤは高級感や上品さを失わせる要素となります。少しツヤを入れるとすれば、水を使う洗面やキッチン、浴室空間に使用するのが、欧米では一般的です。
室内の壁や天井の色については、リビングや廊下など家族全員が共有するスペースにメインとなるカラーを用います。そこには、あまり強い色を使わず、白やパステル系の淡い色を使って下さい。そうすることで、家具やカーテンの模様替えにもある程度の応用が可能となりますし、長く居ても落ち着いた飽きのこないデザインに仕上がります。また、天井を白っぽくすると、部屋が高く感じるという心理的要因があることを知っておくといいですね。
個室については、お好みですが、メインカラーと同じにするか、好みの薄い色を用いて下さい。やはり、長くいる人が飽きないで暮らせることが大切です。強い色を使って遊んでみたいなら、トイレや洗面、書斎などでやりましょう。全体との違いがインパクトとなってくるはずです。ただ、くれぐれも全部の部屋で色を変えるということはやめて下さい。何のメリハリも出来ず、インパクトも減退しますし、ただゴチャゴチャしたイメージしか与えなくなってしまうからです。
床のツヤは、好みの分かれるところですが、やはりツヤがあり過ぎると安っぽい感じがしますので、半ツヤ程度にしておくのが適当だと思います。カントリーやアンティーク感を出したい場合は、マットなツヤの少ないものが効果的です。その時の色は、好みや家族の年が影響することもあるでしょう。子供が小さかったり、活発でナチュラル指向のご家族であったりするなら、クリアに近いものを選ぶでしょうし、落ち着きの欲しい方でしたら、ダーク系な色がお似合いです。
内装の枠材やドアの塗装ですが、幅木・廻り子・窓やドア枠(ケーシング)については、床の色に合わせるということが一番間違いの少ないやり方です。ただ、欧米の家では、白で着色するという方法が一般的です。白は、床がどんな色であっても邪魔にならない色ですし、清潔感のある印象をインテリアに与えます。部屋の縁取りとして、カッチリとした感じもしますよね。白で塗装する場合は、八分ツヤ(セミグロス)を使います。枠やドアにツヤを持たせると、壁とのコントラストが生まれ、逆に素材に高級感を与えます。そうすることで、壁と枠やドアとのメリハリが出来るのです。
如何でしょうか、輸入塗料は奥が深いですよね。置いた家具やカーテン、陽のあたり具合によっても、インテリアの色は変化します。そういう面白さも頭に描きながら、インテリアを想像してみて下さい。自分でも塗料一つで模様替えやデザインアップが出来るなんて、素敵だと思いませんか。輸入塗料こそ、日本人の生活に豊かさを与えるアイテムとなるはずです。
もし輸入塗料PARA PAINTSの調達やドライウォールによるインテリアのコーディネーションをして欲しいということがありましたら、ご相談下さい。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役