本物の輸入住宅を目指して Vol.14 ‐ 美しい輸入資材と上手に付き合う −

para_20120130.jpg今の日本では、国産メーカーの製品であっても安い海外の人件費を求めて、アジアで生産されることが普通になっています。ですから、国産住宅と呼ばれるおうちでも、その殆どは輸入製品で作られているといっても過言ではありません。

 

ただ、私たちが輸入資材と呼んでいるものは、意味合いが大きく違います。それらは、欧米でデザインされて、欧米の品質管理の下で生産されたものでなければなりません。勿論、アジアでもそれを真似たものが安く出回っていますが、そのデザインは一過性であり、信頼性やアフターサービスといった点で本物とは言い難いのです。

 

欧米で作られた住宅資材でも、輸入商社や輸入資材販売会社が国内の倉庫で在庫しているものがたくさんあり、それらを利用している輸入住宅ビルダーが殆どというのが輸入住宅業界の実態です。確かに、そういった資材を使えば、注文からの納期が短く、資材メーカーの国内保証も利くので安心ですが、製品が大量に出回っていて、バリエーションが限られるという点で、どの輸入住宅でも同じものが使われているということが往々にしてあります。まあ、皆がルイヴィトンを持っているから、私も同じものが欲しいという感覚の人にはいいでしょうが、自身のセンスやオリジナリティを表現したいという人には、金太郎飴のような家づくりは退屈なものになるかも知れません。

 

ならば、欧米のハウスマガジンに出てくるような美しいデザインのものを求めて、独自に輸入資材を購入しようということになる訳ですが、そんなに簡単なものではありません。誰でも出来るなら、輸入商社は必要がないですし、そういったもので市場は溢れているはずです。何故、独自に欧米の資材を輸入するということが、そんなに大変なんでしょうか。また、そういう欧米の資材を使う為には、どんな心構えが必要となるのでしょうか。

 

まず、外国の資材メーカーの対応は、担当者の力量によって左右されます。日本のように、組織としてサービス体制が出来ている訳ではないのです。ですから、注文した商品と違うものが出荷されたり、納期がいい加減だったり、数量が間違っていたりなどということは、当たり前。また、日本への輸送途中で作業員が手荒に扱うなどということも多いので、破損して納品されることもしばしばです。

 

こういう場合、海外のメーカーや輸送業者にクレームを言う訳ですが、新しい商品が再入荷するまでには、相応の時間と我慢が必要です。欧米ではこうしたことは特別なことではないのですが、親切な国産の商品に慣れている私たちは、こういうことを普通のこととして考えることが出来ません。でも、これを許容出来ないと独自の舶来品を使って家づくりすることなど夢のまた夢。輸入資材を手配したビルダーに責任を押し付けるあまり、ビルダーとの関係も悪くなります。時間を掛ければ、そのうち何とかなるというおおらかさが必要ということです。いいものを手に入れるには、手間と時間が掛かるのです。そういう気持ちのない人には、輸入資材などお勧めしません。

 

当然、商品を探したり、資材メーカーと交渉したり、クレーム手配をお願いしたりするのは、全て英語でやりとりすることとなります。一般の住宅メーカーや工務店は、普通そういうことが出来ません。家のことは何とか分かりますが、語学力や外国人との交渉術など持ちあわせてはいないですから。そういうハードルは、輸入の大変さを助長する要因ですし、直接輸入資材を手配しないビルダーが多い理由です。

 

NET社会で世界は狭くなりましたが、まだまだ人の手が大きな部分を占めています。逆に言えば、人の温かみが伝わって、自身のおうちが出来上がってくるなんて素晴らしいことではありませんか。そういう家づくりが出来るなんて贅沢なことだ、という思いで素敵な輸入住宅を建てて下さい。苦労すれば、必ずその成果や満足感も大きくなるはずですから。

 

私たちは、そんな大変さを乗り越えてでも美しいデザインの輸入住宅を造りたいのです。

 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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