本物の輸入住宅を目指して Vol.15 ‐ 安全・健康な暮らしは、輸入住宅で −

para_20120215.jpg国内における室内の化学物質規制、いわゆるフォースター「☆☆☆☆」で制限されているのは、ホルムアルデヒドとクロルピリホスのみ。ただ、これも低濃度であれば、規制されない。日本の住宅で使用される内装建材はこれを順守しているから、健康住宅だと住宅メーカーは言う。

 

おいおい、じゃあ、室内で使われているとされる3,000種以上の他の化学物質は、何も規制されていないってこと?どれだけ使ってもいいの?規制対象の2種類の化学物質を何故使用禁止にしないの?建材に規制があっても、家具には何故規制がないの?

 

私たちが資材を輸入しているカナダでは、室内汚染の基準が更に厳しく設定されている。では、何故日本では、そういった厳しい法律が制定なれないのだろうか。

 

日本では、まず産業の振興・保護が最も重要視される。コストを抑える為に、無垢の木製フローリングより人件費の安いアジアで接着剤を使って生産した合板フローリングが幅を利かす。湿度の高いアジアから船で運ばれる為、カビや腐れ、虫害から製品を守らなければならないから、多くの防腐・防虫剤が含まれる。当然、アジアでは何も規制がされないし、国内でも2種類の化学物質の規制さえ守れば、特段の問題はない。

 

また、こうした資材を使うことで、施主からのクレームも防ぐことが出来るのである。高気密・高断熱化すれば、室内で発生した湿気は外へは抜けない。そうなれば、冬のサッシは、結露でびしょ濡れ。窓まわりのビニールクロスは剥がれ、カビも生える。でも、防カビ剤が含まれたクロスなら、大丈夫という訳である。防火対策と言って難燃性のクロスが使われているが、健康よりも防火の方が大切なのだろうか。

 

確かに、室内の化学物質を放出する為に24時間換気装置が義務化され、換気によってこうした化学物質の濃度は下がるから大丈夫という考えだろうが、クーラーやストーブを使って快適な温度を保っている空気も外へと出ていくのである。何の為のCO2削減か、何の為の省エネか、外気なら汚してもいいのか、甚だ疑問に感じるのは私だけだろうか。

 

建材や家具での化学物質の使用を大幅に規制すれば、換気装置は必要ない。室内の熱効率も上がるので、CO2の削減にもつながるではないか。化学物質過敏症やシックハウス・シックスクールも問題が軽減されるはずである。単純に自然に戻せば、全てが解決するのです。見栄えばかりのローコストな住宅を求める消費者意識と、安く作って利益を上げ、人間の健康は二の次という住宅業界や家具業界の姿勢を早く改めなければ、安全で美しい住宅を財産として残すという文化は定着しないと私は思う。

 

アジア程人件費が安くないカナダの建材ですが、安心して使えるという価値があるのです。勿論、アジアで作られる資材の全てがいけないという訳ではありませんが、本物の住まい、本物の輸入住宅を目指すなら、自然素材で高い品質のものを使って、家づくりをしたいものです。

 

カナダの林産業は、一切自然林には手を付けません。計画伐採によって地球環境を守りながら、高い供給能力を維持しています。そういう素晴らしい材木を使った輸入住宅が100年壊れなければ、CO2を100年間木材に固定化させるというメリットもあるのです。

 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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