本物の輸入住宅を目指して Vol.18 ‐ 不易流行 −

para_20120619.jpg皆さん、タイトルの「不易流行」という言葉をご存知だろうか。その意味は、世の中には変えるべきものと変えるべきでないものとが存在するということだ。どの社会、どの時代でも変わらない本質というものが存在し、世の中の流れやトレンドによって常に変化していかなければならないものもあるのです。


 
家づくりにおいても、そういうことを深く追求していくことは、非常に大切なように私は思う。今、日本ではモダンな家のデザインが主流となっている。そして、多くのデザイナーや住宅会社が、その次は何かを探っている。一方では、バリ風といったアジアン・デザインを模索したり、フランスやイタリアのデザインを取り入れようとしたりする動きもある。

 

だが、そのデザインの先取りの中に、本質というものがあるのだろうか。日本人は、何かが流行るとすぐに皆が同じものを買う。古くは、たまごっちであったり、最近はiPhoneなんていうものが世の中を席巻してしまう。

 

たまごっちやiPhoneが本質的でないというのではない。使ってみれば、楽しかったりするし、同じものを持つことでシンパシーを感じる人もいるだろう。但し、人によっては、そんなもので長く遊んでいる暇はないと感じたり、機能が多過ぎて使いづらいという人もいたりするだろう。

 

商品の機能や性能というものは、どちらか言えば、時代と共に変わるものと言えるように思う。では、何が本質なのか。それは、楽しさであったり、人とのコミュニケーションであったりするのである。そういったものは、時代が変わろうと社会が違っていようと同じように必要とされる。

 

私たちは、輸入住宅を愛している。こうした思いは、既にマイナーなのかも知れない。それは、家のデザインというものが変化したからに他ならない。ただ、そこで本質まで変わってしまった訳ではない。家に必要とされる本質とは、落ち着くとか、リラックス出来るとか、安心とかいう気持ちの部分と、長く使っていけるというハードの部分の2つなのだろう。

 

ギリシャ・ローマから脈々と受け継がれた欧米のデザインは、いつの時代でもその輝きを失わない。そういう欧米の文化を手本にしてきた近代日本でも、それを美しいと感じるようになったのだろうと思う。そういった意味で、輸入住宅もコンテンポラリーな要素を持ち続けているし、見ていて何の違和感もないデザインであるかも知れない。

 

しかしながら、長く使っていけるだけの素材という点では、はなはだ疑問に感じる部分も増えてきた。言ってしまえば、国産住宅と何ら変わらない低品質のものが幅を利かせてきているということだ。

 

無垢の木製ドアやフローリング、欧米の美しい色で塗装したドライウォール。ワールプール(ジェットバス)や輸入キッチン。一定のメンテナンスは必要だが、何世代にも亘って使っていけるだけの素材で出来ていたはずだが、その多くは、プリント印刷されたものや合板に変わり、ビニールクロスのインテリアとなってしまった。安上がりで安直なユニットバスや国産のキッチンを施工する住宅会社も少なくない。

 

全てを否定するのではない。住む人の価値観もある。だが、私たち 輸入住宅ビルダーは、確固たる理念や理想を持つことが大切だし、それに共感する顧客が必ず存在するはずである。価格は本質的な絶対要素ではない。本質は、あくまで先述した2つのみである。

 

ビルダーも顧客も、今一度、不易流行について問い直して頂きたい。それが、本物の輸入住宅を目指すということに他ならないのである。

 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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