本物の輸入住宅を目指して Vol.19 ‐ 文化を残す −

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100年住宅、200年住宅が叫ばれるようになって、何年になるだろうか。東日本大震災以降、ソーラー発電やスマートハウスといった言葉が住宅メーカーのトレンドとなっているようだが、そういった設備を住宅に付け加えても住宅自体の寿命が延びる訳ではない。


 
何世代にも亘って長く暮らせる家づくりというテーマは、数年から数十年の耐久性しかない工業製品にはそぐわないと私は思う。つまり、100年の耐久性を追求していったら、住宅メーカーの販売は現在の4分の1にまで減ってしまうから、自分の首を自分で絞めるようなことはしない。だから、消費者の目先を他の方向に向けて、消費の喚起を図ろうとしているような気がするのである。

 

だって、今の住宅の平均耐用年数は27年程度と言われているから、100年に延びたら需要は約4分の1だもんね。更に住宅メーカーにとって悪いことに、人口の大幅な減少と高齢化が待っている。活力ある若いファミリーがいなくなり、そのいなくなった若い人たちに高齢者の生活が重くのしかかる。下手をしたら、今の7分の1くらいにまで販売が落ち込んでしまうかも知れないから大変だ。

 

でも、本来家づくりの目的は、生活者の暮らしの向上、人命の保護や財産の蓄積にあるはずだから、住宅の長寿命化に目を瞑るという真逆の販売戦略は国民を愚弄しているとしか思えない。

 

30年で建てて壊してを繰り返していたら、次の世代も同じように住宅を建てて壊さなければいけなくなる。自分の財産を毎世代ゴミにして捨てているようなものなのだ。そこには、生活の向上も財産の蓄積もない。

 

家づくりをする消費者も私たちのようなビルダーも、そこに気付かなければいけない時代になっている。少子高齢化、消費税の大幅なアップ、産業の空洞化などで、誰もが比較的簡単に新築出来るような時代は、今後ないと言っても過言ではない。

 

これから新築やリフォームするという恵まれた皆さんは、どうかそこをよく考えてもらいたい。ビジュアルやタレントに目を奪われるCMが、いったい自分の家づくりにどれだけ貢献するのか。

 

私たちは、この日本に住まいという形の文化を残したいと考えています。それは、後世の人たちにも長く使ってもらえるようなものでなければなりません。合板フローリングやビニールクロス、塩ビシート張りのドアのように長く使えない工業製品を施工しないで、無垢の木製の床やドア、北米式塗り壁のドライウォールを採用しようじゃありませんか。

 

外壁だって本物のレンガ積みなら、JR東京駅のように100年は何ら手を入れる必要はなくなるはずです。そういう本物の素材を使って施工出来る輸入住宅こそ、今後の日本の住文化担うものとなるはずです。

 

ただ、素材だけでは後世に残るものは出来ません。やはり、将来に亘って使えるデザインや機能性がなければいけないと思います。そういうデザインをするには、経験と実績だけでなく情熱が大切です。皆さん、歴史に残る住宅を建てようじゃありませんか。

 

 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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