本物の輸入住宅を目指して Vol.23 ‐ スマートハウスに暮らしの豊かさを感じるか?−

para_20121119.jpgスマートハウスは、IT(情報技術)を使って家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅と定義される。昨年から家電メーカー、家電量販店、自動車会社を巻き込んで、大手住宅メーカーが販売促進のメインテーマに掲げている。

 

これに引きずられる形で、地方の建築家や中小工務店でもこれを売りにしていこうという傾向が見られ始めた。だが、スマートハウスは、本当に住み手に豊かな暮らしをもたらしてくれるのだろうか。本当は、売り手側だけが作り出そうとしているトレンドなのではないだろうか。

 

確かに、省エネな住宅は、家計にとって支出を抑える一つの手段である。また、外出先からおうちをコントロール出来るなど、便利なことも多くなるでしょう。そういった意味で、現代の技術を駆使して環境に貢献する社会を実現出来るかも知れない。

 

だが、家の本質やテーマが、「省エネ」になることは未来永劫あり得ない。家の本質は、そこに暮らす家族が、楽しく快適に暮らせる環境を守ること。また、家族の生命や財産を守り、蓄積すること。そうすることで、家自体が財産としての価値を持つこと、であるはずだ。

 

IT技術は、決して本質を改善するものでなく、あくまで脇役として主役を少しでも引き立てるものでしかない。主役が素晴らしいものであれば、それも大切だと思うのだが、今の日本の住宅は言わば大根役者でしかない。平均築年数25年でお役御免になってしまうのだから、100年頑張る息の長い名優とは言いがたい。

 

まず、国策としてやるべきは、工学部から芸術学部出身の建築家へ変えていくこと、欧米の長寿命の住宅を研究すること、施工性や利益率を優先した素材から、愛着を生むデザインや自然サイクルに合致した自然素材の建材で建築すること、ではないだろうか。

 

そうやって家づくりをすれば、建て替えサイクルが長くなり、解体ゴミが大幅に減少するから、スマートハウスの目的である「環境負荷の低減」が最大限に図られる。長く愛される輸入住宅こそ、エコなのだ。住宅を家電化する以前に、住宅業界は本来やるべきことをないがしろにしてはいないだろうか。住宅だけでなく、日本の製品が売れなくなったのもそこにあるような気がします。高機能な国産のスマートフォンが、iPhoneより何故売れないか・・・・?

 

これから家づくりをやりたいと考えている皆さんは、どう思われますか。私には、本質から目を背けて、別のものでごまかすやり方は出来ません。まずは、素晴らしい主役を育てることです。

 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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