2x4netは2x4で家を建てたい人のためのサイトです。2x4工法が得意な全国の工務店・ハウスメーカー・設計事務所の情報を検索できます。
最近は、企業ばかりか個人のお宅でも、警備会社にセキュリティをお願いするケースが増えてきている。格差社会や外国人の増加で、所得を十分に得られないという人が増加しているから、仕方ないと言えるのかも知れない。
ただ、取られるものはなくても、やはり誰かが侵入したという事実は、気持ちが悪い。ましてや、一度入られると味をしめて再度空き巣に入る場合が多いというから、まずは入られない、入りにくい、入るのを躊躇するという状態にすべきだろう。
ただ、日本人は、光を室内に入れるのが大好きな民族でもある。だから、南側のサッシは、掃出しサッシという床から2mくらいまでの高さの大きな窓(ドア)を付ける傾向にある。
ガラスが大きなサッシとなれば、小さな窓よりは遙かに侵入しやすくなる。だから、掃出しサッシからの侵入が、最も多いと言われている。
最近の国産サッシは、ペア・ガラスになっているし、防火の網入りガラスや飛散防止の防犯フィルムが仕込まれた合わせガラスなんかも登場しているが、バーナー等を使えば数分で簡単に突破されてしまう。
しかしながら、輸入の掃出しサッシ(スライディング・パティオ・ドア)の場合、ペア・ガラスであることは勿論だが、その両方には強化ガラスが用いられている。
だから、バットのような鈍器で叩いても割れることはない。ただ、先の尖ったもので打つと車のフロント・ガラスのように「ガシャン」と大きな音を立てて砕け散る。そんな音を出そうものなら、近隣に気付かれてしまうから、もう1枚のガラスを破る前に退散しなければならなくなるのだ。
当然、バーナーを使ってもフィルムが使われていない輸入サッシでは、効果が比較的低くなる。
掃出しサッシ以外の普通の輸入窓は、普通のペア・ガラスが入っている。だが、ガラスとガラスの間には気密を高めるスペーサーと呼ばれるパッキン材が入っており、それでガラスが接着されているので、割ったガラスを全て取り去るのは難しい。(国産のペア・ガラス・サッシもこうした作りをしているが、枠にガラスを差し込んだだけの国産のシングル・ガラス窓では枠から簡単にガラスの破片を取り除くことが出来る)
ダブルハングと呼ばれる上げ下げ窓は、窓の幅が比較的狭く、尚且つ建具(サッシ)が上下に2つ入っているので、侵入口が狭く入りにくい。(建具を2つ共外すのは相当面倒なので、まずやれないでしょう)そういう窓自体の構造的要因も、防犯性を高める理由になっているのだ。まあ、犯罪率の高いアメリカで使われているんだから、納得ですね。
また、玄関ドアの多くは、外開き。欧米では内開きが一般的だが、玄関土間のスペースが狭い日本の家屋だとドアが開くと靴が一掃されて一ヶ所に集まってしまうから、靴が邪魔をしない外開きとなる。
その場合問題となるのが、ドアとドア枠との間の隙間にロックしてあるラッチが見えてしまうことと、ドアを開閉するヒンジ(蝶番)が外側に露出してしまうことだ。
まだ、日本ではあまり見られないが、ヒンジをハンマー等で破壊してしまえば、いくら鍵が掛かっていてもドアは簡単に開いてしまう。国産のドアは、標準的にドアのガードプレートが入っているので、ラッチが丸見えということは少ないが、ドアガードをバールでこじられたら、それも無駄になる。
国民性や暮らし方を変えることはなかなか難しいことですが、外からは戸当りでドアがガードされ、ヒンジも内側に付く内開きにすることをお勧めします。そして、木製やグラスファイバー製の見るからに頑強な輸入ドアは、アルミの薄板で出来た国産ドアより防犯性が高いとも言えるのです。
ただ、内開きの場合、台風などの暴風雨などで、雨が玄関先に侵入する恐れもありますので、防水の為のウェザーストリップなどのパッキン材をこまめに取り替えたり、ドアの歪みによる隙間の調整をしたりする必要があることを同時にご注意下さいね。
その他、面格子や雨戸を取り付けるという防犯対策もありますが、外観イメージや暮らしぶりも考慮に入れてお考え下さい。せっかくの輸入住宅ですから、それで愛着が半減することでは困りますよね。
どんなことでも、長所・短所は存在するものです。その中でどう優先順位を付けていくかが大切ですね。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役