本物の輸入住宅を目指して Vol.28 ‐ 理に適った2x4工法 −

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愛知県半田市で施工中の輸入住宅にお客様をお連れして、構造の説明をしに行った際に、お客様から「壁の上の部分に釘の先が飛び出しているけど、これはどうするの?」というご質問を頂きました。私たち 施工者として当たり前に思っていることでも、初めて見る人にとっては不思議に思われることがたくさんあるんだなぁと実感させられる一コマでした。

 

そこで、今回木造2x4工法(枠組み壁工法)による輸入住宅の施工について、これから家づくりを勉強していこうとお考えの皆さんに、少しだけ詳しくご説明致しましょう。

 

写真にある通り、2x4(ツーバイフォー)の柱材の上には、上枠や頭つなぎと呼ばれる横に寝かせた木材が使われます。これは、縦に並んだ柱材(スタッド)を一体の壁として形成する為に用います。そうするのは、2階の床根太(床下地の材木)の重量を壁(柱材)全体に分散させて、1本の柱だけに負荷が集中しないように設計されているからです。

 

2x4工法って、こんなところも理に適っていると思いますよね。

 

では、みっともない貫通した釘の先を、何故わざわざ見えるようにしているのか。それには、同様に合理的な理由があるのです。

 

写真のような状況で、もし釘が見えなかったらどうでしょうか?確かに見栄えはいいかも知れません。でも、よ〜く考えてみて下さい。下から目視で釘が見えなかったら、釘が本当に打ってあるのか分かりますか?もしかしたら、釘が全く打たれていないかも知れませんよね。

 

2x4工法では、規定・規格によって色付けされた釘を使用することで、検査員は釘を見ただけで長さや強度が分かるようになっています。その釘が木材を貫通して先が見えたり、打たれた釘の頭が見えたりすることによって、規定の強度の釘がちゃんと使用されて、規定の深さまで入っているということが判断できるのです。

 

だから、写真のように釘が下から見えるということは、正しく施工したという大工さんのアピールでもあるんですねぇ。また、釘には正しい間隔というものも存在しますから、決められた等間隔で釘が施工されているというのも一目瞭然です。

 

勿論、石膏ボードを張った後は、こうした釘が全く見えなくなってしまいますから、インテリア上も支障はありません。北米のビルダーたちは、自分たちが万一施工ミスを犯しても誰でもちゃんと分かるようにしているのですから、素晴らしいですね。

 

マニュアルを徹底して、人間がミスをしないようにするということも大切ですが、ミスは犯すものだという観点から作業を考えることは、もっと大切な気がします。

 

また、私たちが、ミスを故意に隠したり出来ないというのは、大工の注意やお客さんにとっての安心感につながり、耐震性や安全の確保に重要な意味を持つのです。

 

建築は、奥が深くて面白いでしょう。もっと知りたい方は、私共のホームページからお問い合わせ下さい。


 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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