本物の輸入住宅を目指して Vol.33 ‐ 照明の明るさは、畳数で決めてはダメ!−

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新築する時に、皆さんはおうちの照明をどのように計画しますか?きっと、一般的には照明器具のショールームや住宅メーカーのコーディネーターさんに、お願いされるのではないでしょうか。

 

でも、その多くの場合、照明メーカーのカタログに記載された「畳数(部屋の広さ)の目安」を基に照明器具を決めているのです。皆さんも試しに、国産照明のカタログやウェブサイトを見てみて下さい。「この照明器具は、〜12畳まで」という具合の記載になっていますよね。

 

ですから、これを見たインテリア・コーディネーターさんの多くは、10〜12畳の部屋の天井のど真ん中にこの照明1台を付けるようにプランします。

 

12畳ですと白熱球60Wが8灯くらい付きますから、合計で480Wの明るさになる計算です。そして、カタログの推奨でも「10〜12畳の部屋(17〜20平米)のところには400〜500Wの明るさを選ぶように」と書かれています。

 

さて、皆さん、これを本当に鵜呑みにしますか?

 

リッツ・カールトンやマリオットなどの一流のホテルで、こんな照明プランをしているでしょうか。いえ、こんな明るすぎる照明にしたら、リラックスするどころか落ち着かなくて仕方ありません。

 

この明るさの目安は、オフィスや工場で作業をする時に必要な明るさ(光の量)であって、人間に安らぎやくつろぎを与える明るさではないのです。また、部屋全体を明るくする時に必要な明るさを指しているに過ぎません。

 

私が12畳の空間をデザインするなら、40Wの電球が5個付いた照明を天井から少し下げた位置に吊り下げます。そして、外壁に面した壁に40Wのブラケット照明を2ヶ所取り付けるでしょう。

 

そうすることで、光で部屋に強弱を持たせて、ムードのあるデザインにすることが可能となるはずです。こうした配置は、欧米では非常にレギュラー(ベタ)な案ですが、電気配線やスイッチの数が増えたり、照明器具の代金がかさんだりするという理由だけで、一部屋に1個の照明しか付けないというのが、日本の住宅では当たり前になっています。

 

こんな陳腐な照明デザインの計画では、日本の家の価値が上がるはずがありません。勿論、照明器具自体のデザインも問題ですが、如何にお部屋の雰囲気を格好よくするかに気を遣うセンスが最も大切だと思います。

 

また、照明のシェードが上向きか下向きかでも光の具合に違いが生じることも忘れてはいけません。

 

もしあなたが暗めの落ち着いたリビングで本を読みたいと思ったら、私は写真のような輸入のフロア・ランプをお勧めします。ソファの脇にこれを立てて、ティー・カップやメガネ・ケースをサイド・テーブルの上に置いておきます。

 

電球は乳白色のシェードで覆われていますから、自分の手元以外に光が及ぶことはありません。自分が必要な場所だけに必要な光を当てられるのです。だから、部屋の雰囲気を崩してしまう恐れもないという訳ですね。

 

周りにいる家族への配慮を忘れないのも、お洒落な生活スタイルだと思いませんか?皆さんももっと光で遊んでみて下さい。陰がインテリアの脇役であることを、お忘れなく。

 

最後に、インテリアのデザイン計画をするに当たり、私が書いた「色彩と光の選び方 by PARA PAINTS」をお読み下さい。「色彩と光の選び方 by PARA PAINTS」の文字をコピペして、Googleでキーワード検索して頂くと記事がご覧頂けます。きっと、参考になると思いますよ。

 

建築コンサルタント 村瀬雄三
有限会社 ホームメイド 代表取締役

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