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外装材として外壁に張るサイディング。木製などもありますが、通常、薄い板状のコンクリートの上に塗装をして、防水や劣化に対応しています。でも、おおよそ10年程度で塗装の塗り直しが必要になる点が面倒ですよね。
さて、建物の構造(木造やRC造等)の上に張られるこうしたサイディングは、建築基準法上構造的な強度が求められるでしょうか。その答は、「NO!」。求められているのは、防火・準防火地域での防火(耐火)性能だけなのです。
サイディングは、構造が風雨に曝されるのを防ぐ為のただの外装材、つまりカバーという位置付けで構造的な耐震強度を建築では求められていないのです。
そういう点で、薄いレンガ・タイルを張った外壁もサイディングと同じですね。では、分厚い本物のレンガを積むレンガ積み外壁は、どうでしょうか。
そう、これもサイディングやスライス・ブリックと同じ外装材なんですね。決して、構造の一部ではありません。構造体の木造部分から数センチ離して積むということからも、構造ではないことがお分かりでしょう。
でも、私共のところに家づくりの相談に訪れるお客様の多くが、レンガ積みの輸入住宅は地震に強いのかとか、耐震性はどうなのかとかいった質問をされるのです。
まあ、レンガ積み自体に慣れていない一般の皆さんですから、それも仕方のないことですが、プロの設計士や行政ですらそういう間違った認識をお持ちの方もいらっしゃるようです。
あのニュージーランドの大地震で、レンガを構造そのものとして使った無筋組積造(鉄筋が入っていない構造)の建物が崩壊したので、勘違いは無理もないと言えますが・・・。
勿論、レンガ積みの外壁(外装)が地震で壊れないようにしたいという気持ちは私たちも同じですが、例えこの外壁が壊れたとしても、外装材の重量が構造体の負担になっていない2x4工法の建物は、揺れにも強く、構造が倒壊するリスクは殆どないと言っていいでしょう。
(勿論、自然災害は人智を超えますから、絶対ではないですよ)
構造体が大丈夫であれば、万一レンガが崩れても、またレンガを積めば元通りに戻ります。そう、積みレンガは、サイディングやタイルと同じただの外装材なのですから。
ただ、私たちは、耐震用の鉄筋や金物を多用したり、建物の一面だけでなく四面積んだり、高い強度の基礎にすることで強い揺れに耐えられるレンガ積み外壁を実現しています。過剰な期待をせずに、如何に大切な家や家族を長く守ってくれるようにするかが、家づくりでは大切です。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役