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家の性能を、数値や設備の仕様で評価・PRする住宅メーカーやビルダーが、多くなってきたような気がする昨今。やれ、Q値だC値だ、スマートハウスだ、太陽光発電やオール電化だ、熱交換型24時間換気システムや全館空調だ、長期優良住宅だ、低炭素住宅だ、なんてね。
勿論、私たちの輸入住宅だって、そういう住宅設備や数値を参考に建てているんだから、お互い様なんじゃないの?なんて思ったりもする。だが、本当にそれだけで、完璧に家の性能が分かると言えるのだろうか。
性能とは、そこに暮らす人たちが、長く快適に暮らす為に必要とされるものの価値の高さであるはずだ。性能を高めることが目的ではなく、それによって住宅会社が建物の価値を上げることを消費者に提案していると言えるのかも知れない。だから、家を長く愛着が持てる素敵な空間(価値ある豊かな暮らし)にする為には、計算上の数値や設備ばかりが立派だって意味はない。
例えば、暑い夏は30度の室内でも涼しいと感じたり、寒かった春に突然20度を超える気温になると暑いと感じたりするのが、人間です。だから、絶対的な数値などは存在しない。
では、実際の心地よさは、どこから来るのか。そこに使われる色やデザインこそが、やすらぎや落ち着きといったものを人々に与えている。人間は、感覚で物事を判断しているのだから、視覚や嗅覚、聴覚などで判断される雰囲気やイメージといったものも性能と考えるべきであろうと私は思う。
ところで、最近、街中でも外壁を塗り替えしている住宅が多く見受けられるようになった。アベノミクスの為か、消費増税前に急いでやってしまおうということなんだろう。でも、その殆どが以前の状態よりも格好悪くなってしまっている感じがする。
恐らくお客さんは、見積金額や商品の仕様にばかり捉われていて、肝心な塗装の色や全体的なデザイン・バランスまで目が行っていないのだろう。確かに安いことは大切かも知れない。でも、価格よりももっと美しく家を再生させることの方が重要ではないか。
街の塗装屋さんや工務店で、デザインや色を勉強している人間はどれ程いるだろうか?素人のあなたが選んだ色を、何ら考察することなく「いい色だ」なんて言って、そのまま施工しているだけじゃないですか?
そんな状況では、色のコーディネートを提案したり、隣家とのバランスを考えたりして、建物の地域的な価値をも向上させるなんてことは不可能に近い。
新築でもリフォーム(リノベーション)でも、外装やインテリアの色やデザインは、最重要の検討項目であるべきです。そこが、あなたのおうちの寿命を決めると言っても過言ではない。皆さん、色は性能(価値)なんですよ。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役