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私たちは、欲しいものを購入しようとする際、まずは自分が欲しい商品を特定します。そうした上で、どこでどのような価格で売っているかを調べ、注文するというのが一般的ですね。
では、自分たちの家を新築したり、何年か経った輸入住宅に使われている輸入サッシやドア、水栓金具といった輸入材のメンテナンスが必要になったりした際は、どのように購入先を決めるでしょうか。殆どの人は、価格で決めると言うかも知れません。
ただ、家の新築といった一品ものをどこに頼むかという話の場合、ビルダーのデザイン・センスや使用される資材、施工方法や仕事の精度までを見極めなければ、本来の価格は比べようがありません。(建築なんてどこでも同じでしょ?と考える人は、論外ですが・・・)
高ければ品質もいいだろうという考えは、ある程度は正解に近いかも知れませんが、絶対そうとは言えません。また、安いものでもいい家が出来るはずというのも懐疑的です。
自然の摂理を考えた施工や素材で、如何に長く愛せる家づくりをするかというのは、ビルダーの永遠の課題ですし、それに真摯に取り組む姿勢が我々には必要です。
また、お客様との関係を一人の人間同士という観点で考えることも大切です。お互いが自分の利益を搾取することばかり考えるような関係ではいい家は出来ません。お互いが相手のことを思いやって与え合うことが出来れば、それが一番の理想です。
そういう意味では、家づくりは人や出会いが肝心であると言えませんか?
最近、修理・メンテナンスの問い合わせを頂くケースが増えていますが、その際お客様自身では到底調べることが出来ない詳しい情報を提供頂いて、輸入の商品を調達して欲しいというご依頼を頂いたりします。そういう場合、恐らく他の業者さんに既に問い合わせをされて、いろいろな情報をそこから入手しているのではないでしょうか。
私たちも相談されれば商品を探し、その調達可否を確認してから価格を調べ、見積を作成します。そこでは、間にいろいろな人の協力や手間や時間が掛かっています。一般の商品が決まったルートや流通によって販売されるのと違い、困っている人の手助けになれるようにという思いで、修理や交換部品の調査や手配をしている人が、そこにはいます。
そういうことをないがしろにして、安いから他で買うというのは、日本人の品性からしてどうかという気がします。自分たちがそういう目に遭ったら、嫌ですもんね。
価格ばかりで勝負してきた結果が、低品質な家づくりやメンテナンスサービスをしない住宅業界を生み出し、30年で解体し建て替えをしなければならないような社会を作り出しました。また、輸入住宅ブームが去ってしまって、ビルダーが倒産したり事業を止めてしまったりしたのも、心より利益を優先したのが原因の一つだと思います。
輸入住宅という特殊な文化を支えていくには、そこに精通した人間の情熱や技術、商品調達力が必要ということを忘れてはいけません。それらが揃ってこそ、皆さんの家を長く維持していけるのです。
資本主義には、心はありません。人の情熱や努力を感じることで、この人から買いたいという衝動が生まれます。今の日本には、義理や人情が必要ではないでしょうか。この人しかいないと思えるビルダーとの出会いが、家づくりの本当の醍醐味と言えるのです。
輸入住宅かぶれが、日本人の道理について話すのはおかしいですかね?
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役
バックナンバーはこちら→「本物の輸入住宅を目指して」