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美術品や芸術品として世に残っているものを考えた時、私たちが普通に使っているものが後世の人たちから高い評価を受けることは、それ程多くはない。
最近、朝ドラで取り上げられている有名な輪島塗りなどは芸術と言っても言い過ぎではないだろう。輪島塗りは、単に漆を塗るというだけでなく、何十という工程があって、何度も何度も磨き上げ漆を塗り重ねる。見た目は、一度塗っただけのものと然程変わりはないようにも見えるが、本物は100年だって使えるという。
そういうモノづくりに拘る造り手の情熱や精神、遊び心も大切だが、そうやって作られたものをちゃんと評価して、尚且つ使いたいと思ってくれる人たちがいなければ、そこにいいものを作る文化は育たない。
つまり、道楽者の造り手と道楽者の使い手がいて、初めて文化や歴史が花開くのである。
さて、日本の家づくりは果たしてどうだろうか。見た目はそこそこで、出来るだけ安く建てるというローコスト住宅が、まだまだ多く見受けられる。自分たちの世代だけ住めればいいというならそれもありだが、そこに子供たちが受け継いでいくだけのクオリティは存在しない。
だが、きらびやかに装飾を施して、成金趣味で家づくりをしようと提案したい訳ではない。もっと見えない部分や材料にも気を遣って、手間暇かけて家づくりをしなければいけないと私は思う。勿論、そこには普遍的で美しいデザインがなければいけない。
それが本当の道楽であり、文化ではないだろうか。家とは本来自分たちが頑張ってきた証であり、ステータスであったはずだ。他人が見て、将来こんな家に住みたい、こんな生活がしたいと思われるようでなければ夢がない。
家づくりを夢見る人の為に、皆さんもどうかその道しるべとなって欲しい。本物の輸入住宅というものは、将来もその価値を失うことはないはずだから。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役
バックナンバーはこちら→「本物の輸入住宅を目指して」