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2015年9月、台風18号の接近によって南からの湿った空気が入り込み、線上降雨帯なる強い雨雲が連続して特定地域を通過したことが、今回の豪雨水害の原因と言われています。
台風の直撃でもなければ、台風の直接的な雨雲でもないただの低気圧だというのに、こんな大きな災害になってしまいました。
堤防を川の水が越えて、その水の勢いで堤防が削られ決壊したということですが、私たちの会社がある愛知県日進市でも自然堤防のある比較的小さな川が存在していますから、同じ状況となれば、きっと洪水が発生すると思います。
こういう災害に対して、私たちが造る輸入住宅はどうなんでしょうか。確かに、頑丈で重い基礎やレンガ積みの外壁、箱型の構造体で出来た建物は、相当の水の勢いにも耐えられると確信していますが、そうであっても大量の水や他の家屋が押し寄せる状況では、室内まで守ることは可能なんだろうかと考えさせられます。
アメリカにはハリケーン対応の高強度サッシといったものもありますから、そういうものを私たちの輸入住宅に施工するのも一つの手段ではありますが、自然の力は人智を超えるのが世の常です。
今まで住宅と言えば耐震・耐火の概念しかありませんでしたが、耐台風・豪雨、耐竜巻・突風、耐落雷、耐水害、耐津波、耐火山災害の全てを賄うのは不可能な気がします。もしこれらに対応する家が出来たとしても、きっと窮屈で息苦しい宇宙船や潜水艦のような住まいになってしまうのではないでしょうか。
実際、家が何とか建っていても、上下水道や電気・ガスの公共インフラは何ともなりませんし・・・。(例えば、災害時の停電に備えてソーラー発電を屋根に載せても、竜巻などの突風でパネルが飛ばされるなんてこともあります。)
勿論、そういった災害に少しでも対応することは大切です。ただ、それで何かを失う可能性があるなら、何を優先すべきかを考えた上で自然災害への対応も検討すべきだと思います。
自然と共に生きていくしかない人間社会ですから、家に求められる最低限のスペックは、人の命を守るということであるべきです。家が損傷しても、家の中の人が助かればいいんです。財産なども大切ですが、状況によっては泡と消えることを思い知らされる今回の水害でした。
人生を豊かに生きるって、本当に難しい・・・。今回の豪雨水害に見舞われた茨城や宮城、栃木県の皆さんの一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役
バックナンバーはこちら→「本物の輸入住宅を目指して」