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私の友人から連絡があり、彼の知り合いで数年前に古い輸入住宅を購入したが、メンテナンスが必要なので相談に乗ってあげて欲しいとのこと。
早速、先週末に状況を確認しにお伺いしてきたのですが、輸入サッシと思われるアルミの掃出しサッシのペアガラスにヒビが入っており、ドアの開閉も非常に重い感じでした。
普通、輸入サッシと言えば、アルミクラッドのようなアルミ被覆の木製サッシか、樹脂のものかが多いですから、国産サッシではないかとも疑ったのですが、片側のドアが固定式でもう一方のドアしか開閉しない窓でしたので、珍しいアルミの輸入サッシかも知れません。
ただ、輸入サッシには殆ど採用されない網入りガラスが入っているのは、何か少し変な気がします。(サッシは南面に面していますから、温度の変化によって金属のメッシュが膨張・収縮してガラスが割れた可能性もありますし、一般に熱割れと言われるペアガラス特有のトラブルも考えられます)
まあ、何れにしてもこの掃出しサッシを何とかしなければいけないのですが、私は窓ごと交換することをお勧めしたいと考えています。大きくて重い掃出しサッシを外壁から外して交換するとなると、外壁だけでなく室内の壁も触る必要がありますから、工事としては少々大掛かりとなるかも知れません。
でも、その原因を推測する限りでは、交換が今後のトラブルを防ぐ唯一の手段ではないでしょうか。
恐らくこのサッシの窓枠を構造体(2x4工法)に取付ける際に、普通やってはいけない窓の上枠の固定を知らずにやってしまったのではないかと思います。
輸入サッシを知っている大工さんであれば、上枠部分は構造体から少し隙間を作って、家の自重によって下がってきた時にサッシの枠に負担が掛からないように工夫します。でも、枠を釘で固定してしまうと、重さによる下がりの逃げ道がなく枠そのものを押し下げてしまいます。
それがドアをも押し潰す形となり、ドアの開閉が難しくなるばかりかガラスをも歪ませる形となり、割れが生じてしまうこととなります。
こうした場合、掃出しサッシの調整でドアを軽くすることは出来ません。また、ペアガラスを交換しても再度割れるリスクが生じます。特に2x4工法は、地震にも強い構造となっていますから、サッシに掛かる力を分散させるようには動いてくれません。
構造体やサッシの特性に合った施工がなされていない古い輸入住宅は、結構多いかも知れません。それは、輸入住宅ブームで何も輸入材を知らない工務店がたくさん事業に参入してきた為だと考えられます。
輸入住宅の新築やリフォームの施工は、どこでやっても同じだなんて思わないで下さいね。専門知識と経験のあるビルダーに家づくりを相談することは、皆さんの家を長持ちさせる秘訣かも知れませんよ。
建築コンサルタント 村瀬雄三有限会社 ホームメイド 代表取締役
バックナンバーはこちら→「本物の輸入住宅を目指して」